飲料一本槍か多角化か

 国内の需要が低下する中、アサヒグループホールディングスが海外事業の拡大で収益基盤の強化を図るのは、ある意味自然な流れです。

 これに対してキリンホールディングスは、過去のブラジル事業での失敗を引きずってか、海外M&Aに積極性は見られません。

 その代わり、キリンホールディングスは、医薬事業の協和キリンという、成長性が見込まれる事業を抱えています。

 協和キリンが属する「医薬・バイオケミカル事業」は営業利益全体のうち、実に29%を占めるまでになっています。下記のグラフを見てください。

「攻めのアサヒ、堅実のキリン」ビール戦争を大胆予想!

 また、2019年には、化粧品のファンケルも傘下にとり込むなど、異業種への展開には積極的です。

 ビールを中心とした飲料一本槍で世界展開を図るアサヒグループホールディングスと、飲料、医療、化粧品など、事業の多角化でリスク分散を図るキリンホールディングス。明暗はどう分かれるのか注目したいものです。