【シドニー】デニス・クラーク氏のワイン用ブドウ農園は、オーストラリア東部の森林火災で焼失することはなかった。しかし、火災現場から立ち上る有害な煙が、2020年の収穫の大半をだめにしてしまうかもしれない。  オーストラリア、カリフォルニア州、その他のブドウ栽培地帯では、以前より深刻な制御不能の火災が起きている。3360億ドル(約36兆8000億円)規模の世界のワイン業界にとって、煙被害の脅威は拡大しつつある。他の果物と違ってブドウは煙を吸収するため、最終的にワインの中に灰のにおいが残ってしまい、口当たりが悪くなる。