「男の子はがむしゃらに頑張る」は思い込みにすぎない

 小学生の頃は、男の子よりも女の子のほうが成長が早く、精神的成熟度もまったく違います。授業の合間にトイレに行く様子を見ていても、女の子は1分1秒を大事にしようと小走りで移動するのに、男の子はちんたらちんたらしています。私が「急げ」と言っても、へらへらしています。

 これが現実なので、どうか「男の子はがむしゃらに頑張るもの」という思い込みは捨ててください。女の子よりも頑張れる男の子は、小学生の段階では、ほとんどいません。

 20年前の男の子と今の男の子は、まったく別の生きものであるという認識が必要です。そして、それは彼らの責任ではなく、親も含めた社会がそうさせているのです。

 大学入試に母親が一緒について行くなんて、昔は考えられませんでした。

 それを恥ずかしいと思わない草食系男子の、そのまた次の世代である今の男の子たちは、さらに弱くて当然です。

 社会がすでにそうなっているのに、相変わらず「縦」の論理で過去の自分と比べている父親もいます。そういう父親は、私に対しても「ウチの息子にはガツンとやってください」と言ってきます。

 それを言葉どおりに受け取って、その子を私が殴ったとしてもクレームをつけてこないでしょう。でも、それはあくまで親のスタンスであり、子どもは違います。

 もっとも、弱くなったとはいえ、男の子はいずれ女の子よりも強くなります。

 草食系を装いながらも深いところでは肉食系です。しかし、その引き出し方は今の子どもに合わせて変えていかねばならないということです。

 根性論は封印し、知的に上手にブレークスルーさせてあげましょう。