開成・麻布・灘・筑波大駒場・渋谷幕張…。東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、保護者から圧倒的な支持を集めている。本連載では、VAMOSの学習メソッドが凝縮されたシリーズ3万部突破の『男の子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、子どもの計画・理解・反復・習慣のプロセスを体系化した「男の子の特性」に基づく学習法をお伝えしていく。
「地頭の良さ」以上に学力を左右すること
基礎学力の中には、「そもそも勉強する状況がつくられているのか」ということも含まれます。
大手の学習塾でついていけずに移ってくる子どもが、私のところにはたくさんいます。
彼らを見ていると、学力そのものがないのではなく、それ以前のところで躓いているのがわかります。
たとえば、教材の整理の仕方を知らない子。毎回もらうプリントなどを整理できずに、勉強しようとしたときに、まずそのぐちゃぐちゃをどうにかするために時間がかかり、結果的にほかの子どもたちに置いて行かれてしまうのです。
また、椅子にちゃんと座れない子や、鉛筆を正しく持てない子もいます。
言ってみれば「しつけ」レベルのことが身についておらず、そのため勉強に集中できる状態になっていないのです。
とくに、小学生の段階では、頭の良し悪しではなく、家庭での過ごし方が学力に大きな影響を与えます。私はそれを「家庭力」と呼んで、非常に重視しています。
どこの塾に行くかということよりも、家庭でどう過ごしているかのほうがずっと大事なのです。
試しに、子どもにトイレ掃除をさせてみてください。その結果は、今の学力とかなりリンクしているはずです。
便座の表だけ拭いて終わりなのか。
便座を持ち上げて裏も拭いたのか。
便器の後ろや床まできれいにしたのか。
トイレという狭い空間で、どこまでその子の目が届いているかという注意力が如実に出ます。こういうことを無視し、プリントの点数だけを見て心配していてもダメなのです。