日産の臨時株主総会日産の臨時株主総会 Photo:NISSAN

日産の臨時株主総会で
株主サイドの怒りが爆発

 ポストゴーンの経営混乱に揺れる日産自動車は2月18日、横浜市の「パシフィコ横浜 国立横浜国際会議場」で臨時株主総会を開き、内田誠新社長を含む新取締役4人を選任した。これにより、名実ともに日産は内田新体制がスタートしたが、今回の臨時株主総会では株主サイドの怒りが爆発した。

 無理もない。この臨時株主総会に先立つ5日前の13日、日産は第3四半期(2019年10~12月)決算を発表したが、同期の最終損益は260億円の赤字に転落し、通期業績見通しも2回目の下方修正で年度通期最終損益は前期比80%減の650億円に修正。これにともない期末配当は無配とすることを明らかにしたのだ。

 ゴーン時代は親会社のルノーへの配当を意識した高配当政策を続けてきた日産は、想定以上の販売不振による業績低下で、一転して無配転落という事態となる。

 2018年11月のカルロス・ゴーン元会長の逮捕以降、日産の経営混乱は、業績の低下とともに拍車がかかり、ゴーン元会長の不正を追及してきた西川廣人前社長も自らの報酬問題で行き詰まった。19年9月に社長兼CEOを辞任し、CEO代行を山内康裕COOが務めたが、12月1日には内田誠専務執行役員が社長兼CEOに就任。ポストゴーンを巡ってのリーダーが昨年1年間で目まぐるしく替わった。