「とにかく合格したい!」「成績を上げたい!」と目標を持って勉強に励んでいても、こんな悩みにぶつかるでしょう。「続かない!」。どんなにいいやり方を手に入れたとしても、続かなければ意味がありません。勉強とは「すべり台」です。勉強ができる人は階段をささっと駆け上がって、一気にすべるイメージを持っています。それが「学びの自動化」です。すべり台に「すべって楽しむおもしろさ」と「勝手に進むラクラク」があるように、勉強も始めたら止まらなくなるのです。
『偏差値95の勉強法 頭のいい人が知っている「学びを自動化する技術」』には、「没頭力(自らのめり込む)」「論理力(文脈で考えられる)」「記憶力(つながりで覚えられる)」が同時に手に入る勉強法を収録。さらに「没頭力」を発揮することで、「最短で結果が出る」「1日が27時間になる」「努力を努力と思わなくなる」のです。勉強にハマる要素は、たくさんあります。学びの楽しさを実感し、目標を達成できる勉強法を手に入れてください。
何もしなくても
情報のほうから飛び込んでくる
没頭する感覚をつかむことができたら、不思議なことに、これまで意識していなかった情報が自然と手元に集まるようになります。これは、「カラーバス効果」と呼ばれています。
「カラー(color)」は「色」、「バス(bath)」は「浴びる」という意味で、何か一つのことを意識すると、特定の色を浴びるように、その情報がどんどん目につき、集まってくる状態のことを指します。
たとえば、朝の情報番組の占いで「今日のラッキーカラーは赤」と言われたとしましょう。そうすると、その日は一日赤いものばかり目につくようになります。同じようなことは、みなさんにも経験があると思います。
私の場合は、あるときから自転車に目がいくようになりました。それまでは、大学に通うためのただの乗り物でしかなかったのですが、『弱虫ペダル』という漫画を読んだ翌日から一変しました。
人が乗っている自転車に目がいくのはもちろんのこと、ロードバイクやマウンテンバイクなどの車種の違いが気になったり、自転車店のセールの情報や漫画のなかで使われていたフレーズも目につくようになったりと、あらゆる情報が一気に飛び込んでくるようになったのです。
あるものを意識すると、それを探そうとするアンテナが自動的に増え、何もしなくても情報のほうから飛び込んできてくれます。
SNSのさかんな現代は、情報量が多いため、その傾向はより顕著になっているでしょう。
同じことを、今、自分が成果を出したいと思っている勉強に置き換えてみてください。一度興味を持ち、意識を向けると、語彙力なら語彙の情報、TOEIC®ならTOEIC®の情報のほうからこちらに飛び込んできてくれます。
没頭すると、意識が変わるのです。
私は、すでにお話しした通り、中学・高校時代に勉強法の本を読みあさったことがありました。
東大志望の友人から「この本、おもしろいから読んでみなよ」と、ある本をすすめられたのがきっかけでした。
それまでとくに受験を意識してはいなかったのですが、「そんなにおもしろいなら読んでみよう」という気になりました。
そうしたら本当におもしろくて、「受験勉強という全国参加のゲームの攻略本を手に入れたぞ!」というような気持ちになりました。
意識が変わったのはその瞬間からです。
テレビのニュースや、通学している電車の中吊り広告、立ち寄ったコンビニでふと見かけた雑誌の見出しなど、日常生活のなかで、勉強法や勉強そのものにまつわるありとあらゆるものが目につくようになったのです。
これこそが、連載第3回でお話しした「あえて効率を求めなくても、自動的に効率が手に入る」状態です。
合格や目標達成に必要な情報が、勝手にやってきてくれるのです。しかも、没頭し続けていたら、この状態が無限に起きるのです。
没頭という武器を手に入れたら、もう怖いものはないと言っても過言ではありません。