キャッシュの流れを決める3要素

 売上債権回転期間は、売上債権(売掛金や受取手形)を1日当たり売上高で割ることによって算出される日数で、平均の売上代金の回収サイトを意味します。

 棚卸資産回転期間は、棚卸資産(商品、製品、原材料などの在庫)を1日当たりの売上原価で割ることによって算出される日数で、商品などの平均保管期間を意味します。

 仕入債務回転期間は、仕入債務(買掛金や支払手形)を1日当たり売上原価で割ることによって算出される日数で、仕入れ代金の支払いサイトの平均を意味します。

 キャッシュ・コンバージョン・サイクルを短くするには3つのアプローチがあります。それは、①販売代金の回収期間を早くすること、②保有する在庫を少なくすること、③支払いを遅くすることです。下記の画像を見てください。

アップルは「10日分の在庫」しか持たない、だから儲かる

 キャッシュ・コンバージョン・サイクルは何日ぐらいが通常なのでしょう。例えば、ソニーは65日ほどあります。下図を見てください。

アップルは「10日分の在庫」しか持たない、だから儲かる

 キャッシュ・コンバージョン・サイクルの短縮に積極的にとり組んでいる日本電産も60日程度です。業種によりますが、40~70日程度が通常でしょう。