中国への遠慮が
感染拡大を招く
国内での感染拡大を防ぐ対策が生ぬるいのと同様に、海外からの流入を防ぐ対策についても、有効な手は打てていない。
文政権は日本に追随し、中国武漢市及び湖北省からの外国人の入国を規制した。だが、大韓医師協会などは規制する対象者を中国全体からの入国に広げるべきだと主張し、それに同調する70万人以上の人々が要望書を提出した。しかし、青瓦台はこれを拒否している。
入管行政の責任者である秋美愛法務部長官は19日、「国際社会は韓国の感染病拡散遮断について、効果的だと評価している」と自画自賛した。しかし、この発言が行われた日に韓国の感染者はそれまで30人程度と安定していたのが一気に20人増えて50人となり、翌20日には100人を超えた。
24日にも、金剛立(キム・ガンニプ)中央事故収拾本部副本部長(保健福祉部次官)は「現在としてはこの水準で維持するのが妥当だと思う」と述べた。また、丁世均(チョン・セギュン)首相も「韓国人も中国に出入りしなければならないため、われわれが何らかの措置を取れば相互主義のようなものも働くかもしれない」として否定的な見方を示した。
しかし、中国から韓国に留学している学生のうち、冬休みで中国に帰っていた留学生3万8000人が、新学期を前に今週にも韓国に戻ってくる。高麗大学の予防医学教室のチェ・ジェウク教授は、このうち少なくとも69人、多ければ813人が『感染危険群』と推計される」と指摘し、「入国禁止措置を急がなければならない」と警告している。
韓国に戻る中国人学生への対応を誤れば、韓国国内の新型肺炎はますますまん延するだろう。入国を拒否するのか、二週間程度隔離するのか決断すべき時が迫っているが、韓国政府は何ら決断を下していない。
そんな韓国の、中国の反発を恐れた優柔不断な態度を知ってか知らずか、中国は「新型コロナウイルスが韓国から逆流入するのを遮断」するとして、一部の国際空港では韓国発の航空機に対する防疫強化を始めている。
一体、何のために中国に気を使っているのだろうか。