文在寅韓国大統領
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文在寅政権にとって新型肺炎は
優先課題ではなかった

 文在寅政権にとって、今年は成し遂げなければならない2つの重要な課題があった。それは、(1)北朝鮮との関係改善をよりいっそう進め、南北平和共存を図るとともに、南北経済協力を進めること、(2)4月15日に行われる国会議員選挙に勝利し、左派長期政権の基盤を固めることだ。

 しかし、新型コロナウイルスによる肺炎(新型肺炎)のまん延によって、この2つには赤信号がともってしまった。

 北朝鮮は国内に新型肺炎に感染した人はいないとしきりに否定しているが、既に原因不明の高熱を出した人がいると伝えられ、その人を銃殺して直ちに火葬したとの噂が広がっている。また、新型肺炎対策の一環で中朝国境を閉鎖した影響で、北朝鮮の食糧・物資不足が加速している。北朝鮮は金正恩政権の存続を確保することで手いっぱいであり、韓国との関係改善の余裕などないのが現実だろう。

 もっとも、北朝鮮の状況については不明な点が多く、北朝鮮との関係については次回以降に譲り、本稿では韓国の状況に絞って論じていく。

 韓国では2月27日夕方現在、感染者1766人、死者13人が確認されている。感染者のうち、大邱・慶尚北道が1477人で、両地域が全体の約83%を占めており、集団感染が発生したことが被害を大きくしている。既に感染者数は中国に次いで2番目の多さになっており、感染急拡大を招いた最大の要因は、文在寅政権の対応のマズさにあったといえる。