JA大淘汰#8Photo:klenger/gettyimages

都道府県や市町村の農業振興部や農政課などの重要性はますます高まっている。しかし、予算や職員数が削られる中、「地方の農政格差」が拡大中だ。特集『農業激変 JA大淘汰』(全9回)の#8では、ダイヤモンド編集部が実施した「担い手農家アンケート」の回答者からの評価と農業振興の実績に基づき作成した47都道府県と市町村のランキングをお届けする。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

農業激変ショックは行政にも
ヒト、企業の誘致力に大きな格差

 農業激変ショックは、担い手農家、JAグループ、企業のみならず、行政にも及ぶ。都道府県や市町村などの地方自治体が取り組む農業振興の「優勝劣敗」が明白になるのだ。というのも、自治体が農業法人や新規就農者を誘致できるかどうかによって、地域の農業の未来が変わってしまうからだ。

 そこでダイヤモンド編集部は「担い手農家アンケート」への回答を踏まえ、地方自治体の農業振興を格付けすることにした。

 まず、アンケート回答者に、都道府県の職員が農家の経営を支援する拠点である「農業改良普及センター」に対する評価を尋ねた。さらに、都道府県別の「就農支援実績」「耕作放棄地再生面積」「農地集積達成度」「農業利益率」という評価項目を加え、偏差値を算出してランキング化した。これは、農業が「伸びる県・沈む県」ランキングともいえるものだ。

 これを見ると、自治体間に大きな格差が生まれていることが明らかになった。