JAグループのガバナンスの欠如が、最も端的に表れた事件――。特集『農業激変 JA大淘汰』(全9回)の#3は、JAグループの最高権力者として君臨してきた山田俊男参議院議員が、自民党本部で起こした暴行事件を隠蔽した問題の全貌を暴く。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)
被害者が実名顔出しで告発
JAの「組織的隠蔽」の内幕
全国の地域農協を束ねてきたJA全中の専務から参議院議員に華麗なる転身を遂げ、ピーク時は45万票を集めたJAグループの最高権力者、それが山田俊男氏だ。
山田議員は20万人の農協職員を動員して選挙を行う。昨年7月には3期目を目指す選挙で当選を果たした。だが、その直後、同議員が配信したメールマガジンは農協関係者を失望させるものだった。
なぜか――。2016年に東京・永田町の自民党本部で本人が起こした暴行事件をもみ消そうとするものだったからだ。