JA大淘汰#6Photo:Gergely Voros/EyeEm/gettyimages

ダイヤモンド編集部の恒例企画、農家が選ぶ「JA支持率ランキング」を今年も発表する。2~4位は石川県の農協が占めた。首位は、減農薬・無農薬栽培のコメを高値で販売する兵庫県の農協だった。その他、野菜の販売力で名をはせる農協など、個性派JAが多くランクインした。特集『農業激変 JA大淘汰』(全9回)の#6では、格差が拡大する農協の実態とその要因を解明する。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

農家の支持率×財務データで
生き残れる農協が分かる

 地域農協が生き残るには、若手の担い手農家からの支持が不可欠だ。農協は、かつて「ドル箱」だった金融事業(信用〈銀行業務〉事業と共済〈保険業務〉事業)がマイナス金利政策の影響で減益に陥っており、担い手農家を相手にした農業関連事業で稼ぐことが不可欠となっているからだ。

 そこでダイヤモンド編集部は、農家からの支持と財務の健全性から農協を多角的に評価した「JA支持率ランキング」を作成した。

 JA支持率ランキングは大きく二つの指標から成る。

 一つ目の指標は、ダイヤモンド編集部「担い手農家アンケート」で得た農家1661人からの回答に基づく「支持度偏差値」だ。「農家から支持されているか」や、「役員に担い手農家を登用するといった制度改革を行っているか」などを評価して算出した。

 二つ目は、農協の財務データから、「本業の農業関連事業できちんと利益を上げているか」や「収益低下が見込まれる金融事業への依存度が高くないか」を評価した「経営健全度」だ。

 これら「支持度偏差値」と「経営健全度」を合わせた「総合偏差値」で順位を付けたのがJA支持率ランキングだ。