浸水被害を受けたタワマン2棟は
「低位地帯」に建つ

 実は、台風19号で武蔵小杉に林立するタワマン全てが深刻な被害を受けたかのようなイメージがあるかもしれないが、実際は大きく異なる。現在、14棟ある武蔵小杉エリアのタワマンのうち、大規模停電など甚大な被害を受けたのは、「パークシティ武蔵小杉ステーションフォレストタワー」と「シティハウス武蔵小杉」の2棟にすぎない。

 同じエリアにあるにもかかわらず何が明暗を分けたのか。

 その謎を解くため、ダイヤモンド編集部では、武蔵小杉エリアの地図に国土交通省の「低位地帯」データと「治水地形分類図」を重ね合わせた上で、さらにタワマン14棟の各所在地を記した(図参照)。

 低位地帯とは、周辺部よりも標高が低く、排水が困難とされる場所である。また、治水地形分類図は、その土地が過去にどのような場所であったのか記されている地図だ。治水地形分類図は、先ほどの「重ねるハザードマップ」でも確認できる。低位地帯については、国土交通省の「国土情報ウェブマッピングシステム」で比較的簡単に確認できる。

 深刻な被害を受けた2棟とも低位地帯にあり、うちシティハウス武蔵小杉はさらにかつては河川だったため水はけが悪いとされる「旧河道」の上に建てられていることが分かる。その一方で、他のタワマンのほとんどは、低位地帯と旧河道の双方から外れていることが見て取れるはずだ。

 もちろん、低位地帯であることや地歴が浸水の全ての原因ではないし、個々のマンションの設備や対策で被害の程度も左右されることは言うまでもない。

 それでもなお、マンション購入に当たって、前述の重ねるハザードマップを含めた公的なデータを駆使すれば、少しでも災害リスクを減らすことができるはずだ。

Key Visual & Graphic:Daddy’s Home