イラン、イタリアは
中国モデルを導入

 中国モデルを積極的に採用するのがイランだ。2月19日に新型コロナウイルスの初めての患者が確認されたイランだが、その後も感染拡大が続いた。そこでイラン政府は、3月3日に「防疫措置を中国に学ぶ」と宣言した。

 イランは国家動員計画のもと、中国の診療モデルをペルシャ語に訳して公開し、30万の「小組」とよばれる医療グループを組織し、1000万人を対象に各世帯を巡回し感染の実態調査に乗り出した。その結果21万人に発熱、頭痛などの症状が見られ、うち3万人が重症であることがわかった。治療対策については、テレビ会議を通して中国の医療経験を学んでいる。

 イランだけではなく、イタリアもまた中国モデルを手本にした。イタリアは、ローマを旅行中の中国人に初の感染者が確認されると、1月31日に自国と中国の主要都市を結ぶエアラインの運行停止に踏み切った。イタリアで感染者が爆発したのは2月21~22日にかけてだが、新たな感染増加数が60人という段階で、ロンバルディア州の複数の都市を封鎖した。かなり早い段階で、感染拡大を防ぐ措置を採っていたといえる。

 また、中国政府がわずか10日で建設した「火神山医院」を模範に、病院の突貫工事を始めた。住民の外出管理も徹底し、外出のための通行証も必携にした。当局のルールに反すれば「拘留または罰金」という取り締まりも中国モデルに酷似する。

 しかし、イタリアの患者数は増え続けた。3月19日時点で感染者3万5713人、死亡者2978人となった。イランも同時点で感染者1万7361人、死亡者1135人に上り、この2つの国は世界のワースト1、2位となっている。

 ちなみに、中国にとってはイランもイタリアも、戦略上、欠かせない重要なパートナーだ。イランとは2016年1月に、イタリアとは昨年3月に、中国の主導する「一帯一路」で協力する覚書を交わしており、その関係は良好だ。