中国コロナ治療薬研究
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新型コロナ治療薬候補のカレトラ、臨床試験の結果が明らかに

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンや新しい治療薬の開発が進む一方で、既存の薬剤の中からCOVID-19に有効なものを見つけようとする動きも進んでいる。例えば、抗HIV薬のロピナビル・リトナビル(商品名カレトラ)や抗インフルエンザウイルス薬のファビピラビル(商品名アビガン)が有効であったことが、国内外で報告されている。

 しかし、National Clinical Research Center for Respiratory Diseases(中国)のBin Cao氏らが、COVID-19に対するカレトラによる治療は有効性が示されなかったとするオープンラベル・ランダム化比較試験の結果を「New England Journal of Medicine」3月18日オンライン版で報告した。

 COVID-19に対する抗ウイルス薬の候補として、現在、アビガンやトシリズマブ(商品名アクテムラ)など、いくつかの薬剤について臨床試験が実施されている。同じコロナウイルスが原因で発症する重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)に対する有効性が示唆されているカレトラも、そうした候補薬の一つと目されている。

 Cao氏らがこの臨床試験で対象としたのは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への感染が確認された武漢金銀潭医院の重症患者199人。これらの患者のうち、100人を標準治療を14日間受ける群(標準治療群)に、99人を標準治療に加えてカレトラ(ロピナビル400mg・リトナビル100mg)を1日2回、14日間経口投与する群(カレトラ投与群)にランダムに割り付けた。

 標準治療の内容は、酸素補充、非侵襲的/侵襲的補助換気療法、抗菌薬投与、昇圧薬投与、腎代替療法、体外式膜型人工肺(ECMO)を必要に応じて行うというもの。患者の年齢の中央値は58歳で、そのうち60.3%は男性だった。主要評価項目は「臨床的改善に至るまでの日数」で、「臨床的改善」は重症度スケールで2ポイントの改善または退院のいずれかと定義された。