朝にカテキン飲料(またはプラセボ)を摂取した群は、前日22時以降の絶食後の翌朝に食事負荷検査を実施。その結果、食後180分までの血糖上昇曲線下面積(AUC)の比較から、カテキン飲料群での有意な血糖上昇抑制作用は認められなかった。またインスリン値のAUCも有意差がなかった。

 一方、夕方にカテキン飲料(またはプラセボ)を摂取した群は、4時間の絶食後の夕方に食事負荷検査を実施。その結果、カテキン飲料を摂取した群で血糖値のAUCがプラセボ群に比較し有意に抑制されていた(P=0.001)。またインスリン値のAUCは、有意に増加していた(P=0.013)。

 ヒトを対象とする上記の検討のほか、マウスを使い同様の実験を行ったところ、ほぼ同様の結果が得られた。なお、カテキン飲料を単回摂取した後の結果と連続で摂取した後の結果について比較したところ、マウスでは連続投与の影響が観察されたものの、ヒトでは連続摂取による影響は認められなかった。

 これらの検討を基に、著者らは「夕方にカテキンが豊富な緑茶を飲むことは、食後インスリン分泌を増加させ食後血糖の上昇を抑制する。ヒトの1週間の連続摂取で、血糖値変動とインスリン値に影響は見られなかったが、より中長期的な検証も必要になるだろう」と結論をまとめている。

 なお、カテキンを豊富に含む緑茶が食後血糖上昇を抑制する機序について研究グループでは、カテキンによるインスリン分泌の刺激とともに、インスリン感受性の日内変動との関連について文献的に考察。健常者では夕方にインスリン感受性が低下し、カテキンがそれを抑制する可能性があるとしている。

 このような機能性食品・飲料の摂取タイミングに関するエビデンスの蓄積による「時間栄養学」の今後の進歩と、肥満や糖尿病などの生活習慣病予防への応用が期待される。(HealthDay News 2020年3月23日)

Abstract/Full Text
https://www.mdpi.com/2072-6643/12/2/565

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.