この場合、たとえば「(精度の高い)チェックリストを作る」だけで、クレームの頻度が減少した、なんていう事例はたくさんある。営業先を訪問する前に、チェックリストを確認し、やるべきこと・注意すべきことをチェックする。営業先を出てすぐに、チェックリストで確認する。もしも忘れていた点があれば、即対応する。これだけで、クレームや確認漏れ、やるべきことの抜け漏れは激減するはずだ。

 クレームが頻発する本質的な原因は、後輩自身の気遣いが足りなかったわけでもなく、指導しきれなかったあなたに原因があったわけでもなく、例えばチェックリストのような、確認できるツールや仕組みがなかったからであることがほとんどである。

 もちろん、突き詰めて考えると、仕事の時間配分や優先順位の問題かもしれないし、あるいは部内での情報共有の問題かもしれない。何れにしても、自分や誰かを責める前に、なぜ、このようなことが起こってしまったのかをしっかりと考えることが、問題解決には必要不可欠だ。

 また、会社で起こる問題の本質はほとんど「環境」にある。自分のせいでも他人のせいでもなく、「環境のせい」かもれしないと考えてみてほしいのだ。問題が起こってしまうような環境要因がどこかにあったから、トラブルは起こる。チェックリスト等で確認できる環境がない、情報共有がスムーズにできる環境がない、部内でコミュニケーションを向上させるような環境がない…。だから、自分を責めないで欲しい。同時に、他人を責めないで欲しい。後輩や上司と一緒に、できればみんなで問題が起こる環境要因について考えてみてはいかがだろうか。

 問題を一人で抱え込まないで、みんなで考えることが問題発見→問題解決へと繋げるためには必要不可欠であることを忘れないでほしい。「私」ではなく「私たち」の仕事だから。誰か一人に責任を押し付けちゃいけないし、だからと言って問題を自分だけで考えてもいけない。問題は、人の中にはない。だから、問題はみんなで考えよう。