些細なことでも「自分にとって当たり前」でない習慣を
取り入れてみる

何か気分を簡単に変える良い方法はないだろうか、と聞いてみたところ、目からウロコの答えが返ってきた。

「今まで『当たり前』じゃなかった要素を生活に取り入れてみること」がポイントだという。

「たとえば私なら、『たくさん歩くことが当たり前』の生活をしています。
ウォーキングの仕事をしているということもあって、1日に1万歩や2万歩を歩いても、自分の中で何も変化はありません。
そこで、じゃあちょっと目線を変えて、違うことをやってみようと思ってウエイトトレーニングにトライしてみました。
肩に135kgを乗せてスクワットマシーンをするんです。
今までにチャレンジしたことがないことだったから、スクワットできたとき、すごく達成感があったんですよね」

何か気分を変えたい、と思ったときに有効なのは、
些細なことでもでもいいから、
「自分にとって当たり前じゃないこと」を取り入れてみる
ことだという。

マユウさんによれば、新しく取り入れる習慣は、役に立たないことでもいいらしい。
 
「私の人生において、ハードなトレーニングにチャレンジするなんて、無意味じゃないですか。
135kgをクリアできたからって、別に何も起きません。
誰にほめられることもありません。自己満足なんです。
でも、自己満足でいいんですよ。
『あ、できたな』って自分が満足できるものでいい。
他人にとってはどうでもいいことなんだけど、その『できた』の積み重ねが、自分にとっては自信になるんだと思うんですよね」

その話を聞いたとき、はたと腑に落ちる感覚があった。
マユウさんのレッスンを受けたことがきっかけで、「国民的美魔女コンテスト」で1500人の応募者の中からグランプリを受賞したとか、保育士だった人がラジオ番組でパーソナリティをやるようになったとか、「人生が変わった」というエピソードをいくつも聞いていた。

歩くことを変えたくらいでなぜそこまで変化が? 
と疑問だったのだが、その理由がようやくわかった。
「歩き方を変える」というのは、人生を変えるファースト・ステップとして、一番取り入れやすい行動習慣なのである。