特に子ども時代からコンピューターゲームをしてきた「ゲーム世代」の若者はその傾向が顕著です。

 ゲームとは、つまるところ、成長実感を得させることで時間やお金を消費させるものなのです。

 1つのゲームをやり込むことで、プレーヤーは経験値を積み、レベルアップする。

 ゲームソフトを開発する側は、レベルアップ時に音を出すことで成長実感を演出。また、レベルアップによってご褒美のように自分のキャラが強くなったり、行けなかった街に行けるようになったり、使えなかった道具が使えるようになる。こうしてゲームの中の世界がどんどん広がり、成長実感とともに、さらにゲームにのめり込んでいく。

 ところが現実の世界はどうでしょうか。

 特に社会人になると、自分が成長できたと実感できる体験はなかなかありません。

 だからこそ、「成長の実感」にはお金にも代えがたい価値があるのです。

 ではどうやって「成長の実感」という「心の報酬」を渡せばいいのでしょうか。

 それは、横並びに誰かと比べるのではなく、その部下の過去と比較して、ほんの少しでも良い変化や成長があれば、それを伝えるのです。

 例えばこんな感じです。

「最近、君が出してきた企画書の赤入れが少なくなったな。以前は、企画書が赤ペンで真っ赤になるほど修正していたのに」

「提案から、契約、アフターフォロ―まで、全部一人で仕事を完結できるようになったね。いよいよ、次は部下への指導の段階だね」

 要するに「振り返ってみたら、自分は成長してきたな」と、部下が実感できるような演出が上司には求められているのです。