海空港は厳戒体制上海空港は厳戒体制 Photo:China News Service/gettyimages

新型コロナウイルス感染拡大のピークを過ぎた中国だが、海外からの帰国者や在留外国人による新たな感染拡大を警戒し、その水際対策は厳戒体制にある。3月中旬にその中国に戻り、2週間の強制隔離を体験したという、筆者知人の日本人駐在員に話を聞いた。(日中福祉プランニング代表 王 青)

中国は新型コロナウイルスの
「輸入感染」を警戒中

 世界では、新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。日本でも、4月16日に「緊急事態宣言」が全国に拡大された。

 一方、“震源地”の中国は3月下旬から感染のピークが過ぎ、武漢の都市封鎖が解除された。社会活動も徐々に回復し、活気を取り戻しつつある状況だ。

 そんな中国が今一番警戒し、神経をとがらせているのが「輸入感染」だ。つまり、海外から帰国した中国人や在留外国人らが「第2波」の感染拡大源となることを警戒している。

 現在、入国した人に対しては、一律14日間、強制的な隔離措置を取っている。この隔離は、まさに一滴の水も漏らさぬような厳密な体制を敷いている(※筆者注:3月末時点で、中国籍の人だけが入国を許され、中国のビザを持っていても外国人は入国禁止となった)。

 今回、3月中旬に中国に戻って14日間の隔離生活をした、ある上海駐在の日本企業の社員の方にインタビューすることができた。取材を受けてくださった方のプライバシー保護のため、ここでは「山田太郎」(仮名)とさせていただく。