中国の5G攻勢を
警戒するアメリカ

 バカバカしい陰謀論をふれまわるな、と怒られるかもしれないが、5G戦争の舞台となっている国では、実際にコロナと5Gを結びつけてしまう人たちが続出している。例えば、今月14日の英ガーディアン紙によれば、英国内で「5Gアンテナが新型コロナを広めている」というデマが拡散され、すでに40件を超す携帯アンテナへの放火や破壊が行われているという。

 また、17日には、ポンペオ米国務長官が、新型コロナウイルスの感染拡大に中国が果たした役割を踏まえると、ファーウェイなどの中国企業の5G導入を再考せざるを得ない国が出てくるだろうと述べた。

 こういう発言が、今のタイミングでアメリカから出るということは、裏を返せば、コロナパニックに乗じて、中国が一気に5Gで攻勢をかけることを非常に警戒しているということでもあるのだ。

 ただ、コロナパニックが中国の追い風となっているのは、5Gだけではない。それが、(2)の《「コロナ対策」という新たな輸出品目ができた》ということである。

 現在、中国は新型コロナの感染拡大を抑え込んだということで、感染拡大リスクの高い国へ医療チームの派遣や医療物資の提供など、積極的な支援を行っている。

 素晴らしいことではあるのだが、一方でこの中国側の“善意”をストレートに見ない人たちも世界にはたくさんいる。「中国がウイルスをバラまいた」という悪いイメージを払拭するためだとか、支援とバーターで5Gの導入を求めているなど、単なる人道支援ではないという見方が圧倒的に多い。

 その中でも有力視されているのが、医療崩壊している国や、医療インフラが脆弱な国に「新型コロナ対策」を輸出することで、その国の“中国依存”を高めていく狙いがあるのではないかというものだ。

 そのわかりやすい例が、セルビアだ。もともと中国と関係の深い同国では、先月15日に非常事態宣言が出されたのだが、その際にブチッチ大統領がこう述べている。

「ヨーロッパの連帯は存在しない。紙に書かれたおとぎ話にすぎない。われわれは中国抜きではみずからを守ることもできない」(NHKニュース3月22日)

 この言葉通りに、中国から医療チームを国賓扱いで迎え入れた同国の首都、ベオグラードでは、習近平氏の写真と共に「ありがとう、習兄弟」と書かれた赤い看板が掲げられている。