COVID-19の流行は暖かくなると収束する?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はインフルエンザと違って、暖かくなっても収束に向かう可能性は低いことが、復旦大学(中国)のYe Yao氏が主導した研究で示された。詳細は「European Respiratory Journal」4月9日オンライン版に発表された。
米国科学アカデミー(NAS)の専門家らも、同団体のプレスリリースで「気候的には夏を迎えているオーストラリアやイランといった国々でも感染が急速に広がっていることを考慮すると、気温や湿度が上昇しても感染者数が減ることはないだろう」との予測を示している。
NASの専門家らは、「実験室での研究では、気温と湿度の上昇に伴い新型コロナウイルスの生存期間が短縮することが示されている」と述べる一方で、気温や湿度以外にも、ヒトからヒトへの新型コロナウイルス感染に影響を与え得るさまざまな要因があることを強調している。
Yao氏らは、COVID-19が流行した中国224都市における1月上旬~3月上旬のデータに基づき、毎日の気温と紫外線量、湿度の変化と新型コロナウイルス感染との関連について調べる研究を実施。湿度と紫外線レベルを調整して解析した結果、気温が上昇しても、新型コロナウイルスの感染拡大能力は変化しないことが分かった。また、気温と湿度で調整して解析した場合も、紫外線の量により感染率が変わることはなかった。