上海のアップルストア前 Photo:Barcroft Media/gettyimages

新型コロナが中国経済へ
与えたかつてないダメージ

 新型コロナウイルスは、リーマン・ショックをはるかに超えるダメージを中国経済に与えた。日米欧で新型コロナが流行し、対応策が発動されたタイミングは中国より遅い。中国経済の動向は世界に対して、新型コロナが経済に及ぼす悪影響がいかに大きく、V字形の急回復を見込みにくいかを示すことになろう。

 中国では1~3月期の実質GDPが、前期比年率▲34%(前年同期比では▲6.8%)と大幅に減少した。中国の実質GDPが前年比マイナスとなったのは、四半期ベースでの統計が始まった1992年以降、初めてとなった。

 実質GDPを支出面からみると、最終消費、総資本形成、純輸出の寄与度は、それぞれ▲4.4%、▲1.4%、▲1.0%であった。月次でも公表される小売売上高、固定資産投資、輸出は、それぞれ前年同期比▲19.0%、▲16.1%、▲13.4%と大幅に下振れた。新型コロナは、個人消費に最も大きなダメージを与え、設備投資も大幅に減少させた。一方、在庫投資は急増し、総資本形成とGDPを下支えした。

 生産面からみると、GDPの3割のウエイトを占める製造業の付加価値が前年同期比▲10.2%と、サービス業の同▲5.2%よりも落ち込んだ。もっとも、サービス業は完全に二極化している。情報通信業(ITサービス)と金融業がプラスを維持した一方、飲食・宿泊業、卸売・小売業、運輸・倉庫は製造業よりも大きなマイナスとなった。

 地域別にみると、1~2月の固定資産投資は、31省・市・自治区のうち30地域で前年比マイナスとなった。小売売上高は、同指標を発表した3地域でいずれもマイナスであった。工業生産は31地域すべてで前年割れとなった。