コロナ禍の後、世界経済の変化に日本は対応できるか?
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新型コロナウイルスの感染拡大で
世界規模で生じている「2つの変化」

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界規模で主に2つの変化が起きている。1つ目は、グローバル化が進む中で各国が抱えてきた、成長率の鈍化などの問題が浮き彫りになっていることだ。

 1980年代以降、米国を軸にグローバル化が進んだ。主要国の中央銀行は緩和的な金融政策を重視した。企業は海外戦略を強化して収益を稼ぎ、株主への価値還元を進めた。米国の個人消費は盛り上がり、株価も上昇した。それが世界経済を支えた。その裏側で、経済格差の拡大、医療制度への懸念、気象・環境、金融政策の限界などさまざまな問題も増えた。

 今、世界は特効薬がない中でコロナウイルスと戦わなければならない。外出の制限、自粛、国境や都市の封鎖などによって人の移動を制限する以外、感染拡大を食い止める方策は見当たらないのが現状だ。経済は大きく混乱し、医療崩壊などこれまで以上に各国の経済・社会運営の脆弱(ぜいじゃく)さがあらわになっている。

 もう一つのメガトレンドは、世界的にテレワークが浸透し、IT先端分野の重要性がこれまで以上に明確になったことだ。そうした潮流によって、われわれの働き方などの常識も変わり始めている。その意味では、コロナウイルスの感染拡大は、世界にとって大きな分水嶺(ぶんすいれい)となっている。