リモートワークは個人が業務に集中しやすい状態をつくり出す半面、いろいろな人が同じ場に集まることで生まれる偶然の出会いや、雑談の中から飛び出すひらめきやアイデアが失われがちです。

 要するに、昔で言うたばこ部屋での会話がなくなってしまうので、意図的にネット空間にそういう場を設けてカバーしていく必要があります。100%カバーするのは無理かもしれませんが、そこにエネルギーを使わず仕事の話だけをしていると人間関係が殺伐としてきます。

「会社とは何か」について
改めて考えてみよう

 リモートワークにおいては、新人教育をどう行うかも課題の一つです。OJTを中心とした日本企業の新人教育とリモートワークはあまり相性がよくありません。先輩が付きっきりで手取り足取り教えたり、新人に疑問が生じたときに質問する相手が目の前にいたりする環境は作れないからです。

 今後、ジョブ型組織でリモートワークを推進する方向が加速するなら、最初からプロフェッショナルを採用するしかないということで、企業の採用も大きく変わってくる可能性があります。極論を言えば、他の先進諸国のように新卒採用がなくなることだってあるわけです。

 このように会社のあり方が変化しようとしているなかで、そこで働く人たちは「会社とは何か」について、考えておいたほうがよいと思います。従来とは何が変わり、そのなかで自分が会社に対して求めるものは何なのか。逆に会社に対し、どのような価値を提供できるのか、あるいはできるようになるのか。

 特にリモートワークになって時間の自由度が高まっている人は、会社や自分のキャリアについて改めて考えるよい機会だと思います。

(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)