大手ゼネコンの大成建設が社長交代を発表した。2020年3月期は増収増益だが、この21年3月期に最終年度を迎える3カ年の中期経営計画は、目標未達が明らかになったため「けじめ」をつけるかたちだ。現社長は副会長に就き、会長は留任という新体制の全容に迫る。(ダイヤモンド編集部 松野友美)
村田社長が語った
「けじめ」の中身
「執行部門の長としてけじめを付ける意味で辞任する」
大手ゼネコンである大成建設の村田誉之社長(65歳)は、5月13日に開催された社長交代会見の冒頭で交代の理由をこう言い切った。
2020年3月期の連結決算は前期に比べ増収増益だ。しかし、18年度から始まった3カ年の中期経営計画の最終年度を迎える21年3月期は、業績予想が中計の最終目標を下回る予想を出した。売上高が前期比17.2%減、純利益が54.1%減という減収減益になる見通しだ。
減収減益予想について、村田社長は「最終年度の目標値がとても高く、目標値を達成しようにも、競争環境が激化しており、受注環境が厳しかった。消化能力にも限界があった」と分析した。新型コロナウイルス感染拡大の影響ではなないところに原因があると自認したのである。