新規株式公開(IPO)で今どき圧倒的に巨額の資金を調達する会社は、現時点で売り上げがなく、利益もなく、長期的なビジネスプランもない。だが、これは計画的なものだ。こうした会社は買収のための資金調達を目的とする「ブランクチェック(白地小切手)会社」だからだ。調査会社ディールロジックによると年初来、こうした特別買収目的会社(SPAC)は65億ドル(約6972億円)を集め、調達額は過去最高ペースとなっている。4月に米国で実施されたIPOの調達資金の80%は白地小切手会社に入った。過去10年の平均は9%だ。この急増は、投資家が、新型コロナウイルスの流行が収束すれば有利な取引を確保できると見込みつつ、今すぐ株式公開する会社に投資するのには警戒感を持っていることを示している。