新型コロナウイルスの影響による外出自粛や勤務先企業の業績悪化などで、収入が減少したり、失業したりする人が出てきている。今は直接収入に影響が出ていなくても、働く環境の変化や事業の方針変更などで、今後の働き方に不安を抱えているビジネスパーソンも少なくないだろう。リモートワークが普及し、現在よりも「成果」を問われるようになると予想されるウィズコロナ時代のキャリアをどう考えるべきか。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
30代男性社員に
突如訪れたキャリアの岐路
転職をしてください――。ITベンチャー企業に勤める杉山正雄さん(仮名)は、経営幹部から5月末での早期退職を打診された。コロナの影響で経営状況が悪化していたという。
「最初は率直に最悪だな……と思いました。なんでこうなったんだろうって」(杉山さん)
杉山さんは昨年秋ごろ、人事担当として転職してきたばかりだった。これからサービスを拡大させていこうという時期で経営幹部の熱量も高く、この組織に貢献したいと強い思いを抱いて入社した。杉山さんは30代前半、まさに働き盛りの年代だ。コロナの影響がなければ、人事として会社の成長を全力で支え、自身もキャリアアップを目指していきたいと考えていた。
やむを得ず地元の九州で転職活動をしているが、コロナの影響で「採用を検討し直すことになった」と、選考を取りやめる企業も多々あるという。現在は、東京の会社にも選択肢を広げて転職活動を続けている。
新型コロナウイルスの影響による収入の減少や失業などで、キャリアを見直さざるを得ない状況にある人が出てきている。また、直接的な影響が出ていなくても、終わりが見えないコロナ禍で、これからの自分の仕事やキャリアを考える必要性を感じている人も少なくないだろう。
では、「ウィズコロナ時代」の雇用、一人一人のキャリアはどう変わっていくのだろうか。