「内覧会」は室内の仕上げが対象

 こういうと、「内覧会があるんじゃない?」と思う人もいるかもしれません。

「内覧会」とは、青田売り(建物の工事中に売買契約を結ぶこと)によって購入した新築マンションが完成し、買主に引き渡される前に、でき上がり具合をチェックする機会のことです。

 しかし、「内覧会」でチェックするのは専有部分だけであり、住戸内のクロスなどの汚れやキズ、設備の設置状況などにとどまることがほとんどです。もちろんそうした点を直すことも必要ですが、マンションの将来的な価値や住み心地を大きく左右するのは共用部分なのに、共用部分のチェックはまず行われません。

 そもそも購入者のみなさんは自分が買った住戸の室内のことだけで頭がいっぱい。共用部分まで気が回っていません。

 こうして、ほとんどの購入者は分譲マンションにおける「アフターサービス」の重要性を見過ごしています。「内覧会」でのチェックで満足してしまうほか、「アフターサービス」と聞いても家電製品や自動車と同じ感覚で、「対象となるケースはそんなにないだろう」「もし、問題があれば売主がリコールするはず」となんとなく思っているのではないでしょうか。