6割の企業が「外国人採用に関して前向きである」というデータも

 2017年には、在留資格「介護」、2019年には在留資格「特定技能」が新設された。介護やビルクリーニング、農業や漁業など、いわゆるブルーカラーと言われる就労分野が、外国人労働者の受け皿として加わったのだ。これは、日本人の就労希望が少ない分野(仕事)における労働力を確保し、中小企業のそもそもの人手不足を解決するためでもある。

 外国人就労の門戸が広がったいま、日本人が多様な国・地域の人と一緒に働く機会や、外国人の仕事を見聞することが増え、ダイバーシティ社会に拍車がかかっていくことは間違いない。

 現在、企業は外国人採用に積極的であり、エン・ジャパン株式会社のアンケート調査(2018年実施)では、6割の企業が「外国人採用に関して前向きである」という結果が出ている。なかでも、採用数が最も多かったのは「販売・接客などのサービス職」だ。

 「外食産業、清掃業、宿泊業、飲食料品製造業で働く外国人が、ここ1、2年で急速に増えています。人手不足のなかで、日本語能力が高くなくても働きやすいというのが大きな理由でしょう。『特定技能』が新設された影響もあり、今後10年は増え続ける見込みです」(エン・ジャパン株式会社「エンバイト」野口慶マネージャー)

 「外国の文化や習慣に触れられる」「外国人の働く意欲・姿勢が刺激になる」など、異文化交流の楽しさや価値が、従業員の仕事におけるモチベーションアップにもつながっているようだ。また、自社で働く外国人を講師にして社内で英会話教室を開催するなど、外国人労働者の雇用を福利厚生的に役立てている企業もあるという。