“勝利宣言”をする大江伸治社長。委任状争奪戦では株主は会社案を選んだ。大江氏は、在庫管理の徹底と不採算事業の整理と撤収、百貨店の赤字店舗の撤退を、1年で一気に進めると明言している Photo by Rumi Soma

三陽商会と大株主のRMBキャピタルが経営陣の刷新を巡って争った委任状争奪戦は、会社側の勝利に終わった。しかし、新型コロナによる傷は深く、三陽には喜びに酔っている余裕はまったくないようだ。(ダイヤモンド編集部 相馬留美)

「不退転の覚悟を持って必ずやり遂げたい」。三陽商会の大江伸治新社長は、上機嫌でこう語った。

 5月26日、大株主のRMBキャピタルとの委任状争奪戦に発展した三陽の定時株主総会は、会社案が過半数の賛成を得て幕を閉じた。

 三井物産の口利きにより、元ゴールドウイン副社長だった大江氏が三陽に入社した今年3月、同社は惨憺たる状況であった。2020年2月期の通期決算は4期連続の最終赤字。加えて新型コロナウイルスの脅威が日本でも深刻化し、外出自粛が売り上げを直撃した。

 4月14日の決算発表では、大江氏を新社長とする経営体制の刷新と、抜本的な構造改革を掲げた「再生プラン」を発表した。ところが、RMBキャピタルが異を唱え、経営陣の刷新を求めて委任状争奪戦への参戦を宣言。1カ月にわたる戦いの火ぶたが切られた。