三陽商会が大株主の投資ファンド・RMBキャピタルと委任状争奪戦を繰り広げている。ただ5月10日に別の投資ファンドや議決権行使助言会社が株主側に有利な意向を表明し、三陽側の旗色は悪い。この株主提案の内容は、三陽の再生委員会が社内で立案していた「消えた再生プラン」であることが、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。渦中のRMBキャピタルの細水政和パートナーを直撃した。(ダイヤモンド編集部 相馬留美)
経営陣vs大株主が
泥沼の委任状争奪戦
「(三陽商会の経営陣による)再生プランは少なくとも3回は取締役会に上程され、そのたびに社外取締役と監査役から売上計画の甘さやリストラの具体策のなさについて、クソミソに言われていた。取締役会で非難されつつも、可決して公表する神経が理解できない」
三陽商会の関係者は、こう憤りを露わにする。
三陽商会は4月14日、4期連続最終赤字となる決算と共に「再生プラン」を発表。大江伸治副社長を社長に、中山雅之社長を副社長へと入れ替える新体制を5月26日の定時株主総会で決議する方針を打ち出した。
ところが同日、再生プランの見通しの甘さと現経営陣の責任明確化の必要性があるとして、大株主である米アクティビストファンドのRMBキャピタルが異議を申し立てた。
RMBは現経営陣の辞任とプロ経営者である小森哲郎氏の招聘という株主提案を発表し、経営陣vs大株主の委任状争奪戦という泥沼の戦いに発展している。