喫煙者Photo:PIXTA

新型コロナにおいて喫煙者が感染すると重篤化しやすいとの指摘があるが本当か。それ以外にも、とかく喫煙リスクについては、ウソやフェイク情報なども多く、また、結論が出ていないことも少なくない。世界禁煙デーを機に、喫煙リスクのウソと本当について考えてみたい。(サイエンスライター 川口友万)

喫煙は気管支の
慢性炎症リスク

 5月31日は国連が定めた世界禁煙デー。厚生労働省は5月31日から6月6日までの1週間を禁煙週間とし、「2020年、受動喫煙のない社会を目指して~たばこの煙から子ども達をまもろう」をテーマに官公庁を中心に受動喫煙防止対策を強化する。

 2020年4月1日から改正健康増進法が全面施行されたことで飲食店など屋内での喫煙が原則禁止され、地方自治体がさらに厳しい受動喫煙防止条例を制定するなど愛煙家にとっては受難の日々である。

 ところで、たばこがそれほど体に悪いのなら、喫煙文化がなぜ世界中に広がったのだろうか。喫煙は古代マヤ文明から始まったとされるが、何らかのメリットがあるからこそ、長年にわたり愛されてきたのではないだろうか。
 
 そもそもたばこの煙は、大量の有害物質、タール、ニコチンなどからなる。

 200種類を超す有害物質(諸説あり)を含む煙とタールは喫煙者の肺機能を低下させ、気管支に慢性の炎症を引き起こす。慢性閉塞性肺疾患(COPD)になると呼吸器の補助が必要だ。

 こうしたことから、たばこに害があるのは明らかだ。