数千万という犠牲者を出した1世紀前の史上最悪のパンデミック「スペイン風邪」など、人類とウイルスとの壮絶な攻防史から、教訓と処方箋を提言した本が、新型コロナウイルス感染拡大を受け、このほど緊急再刊された。英国人ジャーナリストで社会史家のトム・クイン著『人類対新型ウイルス 私たちはこうしてコロナに勝つ』(朝日新書)だ。
前書の『人類対インフルエンザ』の刊行は10年前、豚インフルエンザがパンデミック化した直後だった。その後ほどなく豚インフルエンザは終息したが、2020年の今、われわれは新型コロナウイルスのパンデミックに苦しめられている。
今回、新型コロナウイルスに対する予防や治療などについて日本語版補遺を執筆した科学・医療ジャーナリストの塚崎朝子さんは、新型コロナウイルスがこれほど短期間に広がった理由を主に3つ挙げている。