リモート会議システムを、セキュリティーや回線の安定性の観点から禁じている企業がまだある。この状況は、かつてワープロが普及し始めた頃にワープロ使用を禁じたことに似ている。数十人と頻繁にリモート双方向演習を実施しているが、セキュリティーも回線の安定性の問題もクリアできている。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

リモート会議普及で想起される
「ワープロ禁止」の時代

リモート会議を禁止する企業に思い出す「ワープロ普及期」の抵抗
リモート会議を禁止する企業に、過去のある光景が重なる Photo:PIXTA

 ZoomやSkypeなどのリモート会議システムを使って、ミーティングや双方向演習を頻繁に実施している。ミーティングは1対1で実施することもあれば、数名で実施することもある。双方向演習の場合は、数十名で実施することもある。

 時折、会議や演習参加者へリモート会議の招待リンクを送ろうとすると、「所属会社のメールアドレスではなく、プライベートなメールアドレスへ送付してほしい」という依頼に接することがある。特に銀行や保険会社に多いが、それ以外にもさまざまな業界の大企業からこうした返答がある。

 理由を聞くと、ZoomやSkypeなどの使用を会社が禁止していたり、会社貸与PCにセキュリティーがかけられていたりして使用できないため、自分のPCやスマホから、リモート会議や演習に参加するためだという。

 こうしたやりとりを毎週のようにしながら、既視感を覚えていた。30余年前のワープロ論争と同じ状況なのだ。文書は手書きする以外の方法がなかった時代だが、ちょうど持ち運びができるワープロが販売され始めた頃に起きた論争だ。