弁護側は「被告に報酬額を決定する権限はなく、陣営が決めた方針に従っただけ」とし、共同正犯ではなく幇助(ほうじょ)犯にとどまり「罰金刑が妥当」と主張していた。

 広島地検は3月24日の起訴と同時に、立道被告を公選法が定める「連座制」の「組織的選挙運動管理者」に当たるとして「百日裁判」を申請。

 禁錮以上の刑(執行猶予を含む)が確定し、広島高検が起こす行政訴訟で連座制の適用対象と認定されれば、案里氏は当選が無効となり失職する。

 連座制とは、候補者と密接な関係者が買収など悪質な選挙違反事件で禁錮刑以上が確定した場合、候補者の関与がなくても連帯責任を負う制度だ。候補者の当選無効のほか、同一選挙区からの立候補も5年間禁止される。

 対象は当初、総括主宰者や出納責任者、親族らだったが、1994年の公選法改正で選挙運動の計画立案、調整や運動員の指揮監督をする組織的選挙運動管理者にも広げられた。

 罰金刑だと連座制は適用されないため、立道被告の弁護側が起訴内容を認めつつ幇助犯との立場を強調し、罰金刑が妥当と主張したのはそうした背景がある。

 ちなみに百日裁判とは、連座制適用に向け、起訴から100日以内に判決を出すよう努めなければならない規定からそう呼ばれる。あくまで努力規定であり、実際には100日を超えて判決が言い渡される例もある。

弁護側は「幇助犯」を強く主張

 立道被告の初公判が開かれたのは4月20日。当初は起訴内容を認める方針とされていたが、罪状認否を弁護人が「次回にお願いしたい」と遮り、留保した。

 通常の刑事裁判であれば、罪状認否で起訴内容を認めて反省の意を示し、執行猶予を取れれば御の字なのだが、前述の通り執行猶予になっても議員の失職につながる。

 弁護側からすれば、執行猶予でも「負け」「失敗」なのだ。どうしても罰金刑にとどめなくてはならず、論理構成に少しでも時間を稼ぐ必要があったとみられる。

 検察側は冒頭陳述で、案里氏や克行氏が若く能力の高いウグイス嬢を集めるため、県議らに紹介を依頼したと指摘。

 立道被告は遊説担当の責任者として行程を立案し、夫妻の了承を得てウグイス嬢に周知したと説明した。