「一定額ずつ」買う方法なら、効率的に「口数」を増やすことができる

 一方、もし「毎月1口ずつ」を買い続けた場合は、「1万円+5000円+1万2500円+8000円+1万6000円=5万1500円」を投資することになり、買える口数は5口。

 1口あたりの平均投資額は、「5万1500円÷5口=1万300円」になります。

 こうして具体例を見るとわかるように、「一定額ずつ」買う方法では、1口あたりの基準価額が安いときには口数を多く買い、高いときには少なく買うことにより、効率的に「口数」を増やすことができるのです。

 この例を見ると、「価格が5000円のときに5万円分を買うことができればいちばんよいのでは?」と思うかもしれません。

 しかし値動きのある運用商品を買う場合、いつが「お買い得」なのかを見極めるのは非常に難しいものです。

 「今こそ安値だ、たくさん買っておこう」と思っても、そこからさらに値下がりすることも十分に考えられます。

 そして、そのような”賭け”をしようとすれば、「今は買うべきか、買うべきではないのか」などとつねに頭を悩ませることになるでしょう。

 投信を効率よく買うには、「機械的に一定額ずつ買う」のが最も合理的な方法といえます。

朝倉智也(あさくら・ともや)
モーニングスター株式会社 代表取締役社長
1966年生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、95年米国イリノイ大学経営学修士号取得(MBA)。同年、ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資金運用全般、子会社の設立、および上場準備を担当。98年モーニングスター株式会社設立に参画し、2004年より現職。第三者投信評価機関の代表として、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。
主な著書に、『「つみたてNISA」はこの7本を買いなさい』『一生モノのファイナンス入門』(以上、ダイヤモンド社)、『「iDeCo」で自分年金をつくる』(祥伝社新書)、『お金の未来年表』(SB新書)など多数。