日本国内に出回る投資信託の数は、今や約6000本。これだけたくさんの商品があると、「投資信託で資産運用を始めてみたいけれど、どれを選べばいいかかわからない!」と迷ってしまう人も多いことでしょう。本連載では、最新刊『全面改訂 投資信託選びでいちばん知りたいこと』(ダイヤモンド社)を上梓した世界No.1投信評価会社「モーニングスター」トップの朝倉智也氏が、投資信託の賢い選び方をわかりやすくレクチャーします。さあ、あなたも「長期・分散・積立投資」で、人生100年時代の長生きリスクに今から備えましょう!

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人生100年時代に今から備えよう

 私が代表を務めるモーニングスターは、投資信託(投信)を第三者の立場から評価する格付機関です。

 「投信で資産運用を始めてみたいけれど、どの商品を選べばよいのかわからない」という方のために、投信選びのポイントを極力わかりやすく解説することを試みた『新版 投資信託選びでいちばん知りたいこと』(ダイヤモンド社、2013年刊)は、おかげさまでお読みいただいたたくさんの方から、

 「初めて投信のことが理解できた」
 「商品を選ぶうえでどこをチェックすればよいかわかった」

 といった、うれしいお声を頂戴することができました。

 しかし、新版を上梓したあと、投資信託を取り巻く環境は大きく変化しました。

 2014年1月にNISA(少額投資非課税制度)が誕生し、2017年1月にはiDeCo(個人型確定拠出年金)の加入対象者が拡大され、さらに2018年には「つみたてNISA」という制度もスタートしました。

 これら政府の施策は、すべて「貯蓄から資産形成へ」の流れを後押しするためのものです。そしてこれらの制度の対象である投資信託は、資産形成の主要な手段として認知度を高めることになりました。

 また、この間、投資信託を取り扱う金融機関も環境の変化に見舞われました。

 金融庁が、投資信託を販売する金融機関に対して「顧客本位の業務運営(フィデューシャリー・デューティー)」を厳しく課すようになったのです。

 かつての投資信託の販売会社は、高い手数料の取れる投資信託を顧客に頻繁に売買させることが少なくありませんでした。残念ながら、たくさん手数料を払わされることで顧客が利益を出しにくい状況にあったのです。

 しかし、金融庁がこの状況に強い問題意識を持って対策に乗り出したことで、このような販売方法は見直しが進み、手数料を抑えた長期資産形成に向く投資信託も続々と登場しています。

 これから資産形成に取り組む方々にとって、環境は大きく好転したといっていいでしょう。