東京は「日本の縮図」
経済面でも問題山積

 経済面では、東京は「大企業のまち」であるとともに、数多くの「中小企業のまち」でもある。そうした企業が東京の経済を、雇用を、そして地域社会を支えている。これら企業の振興策は極めて重要である。

「スタートアップ」という言葉に象徴される起業の振興も否定はしないが、やはり長くその土地に根を張って事業を営んできた企業を維持し、伸ばしていくことこそ地域経済発展の鍵であり、既存の企業の研究開発への投資を促進させた方がイノベーションにつながることは、データ的にも明らかである(そんなはずはない!と思った方は、ロナルド・ドーア氏の『金融が乗っ取る世界経済』や中野剛志氏の『真説・企業論』を参照されたい。特に後者においては、「起業」や「イノベーション」を巡り、日常的に言われ、信じられている言説の多くが「嘘」や単なる「思い込み」であることが明確な根拠を持って説明されている)。

 先ほど東京都内の地域間格差に触れたが、所得格差も問題である。

 地方では仕事がないので東京に仕事を求めて出てきたものの、仕事はあっても東京の生活費では生きることに精いっぱいという人たち、就職氷河期世代で非正規雇用を繰り返さざるを得ず、給与も上がらず、満足な職業訓練も受けてこられなかったという人たち、そうした人たちへの支援も重要である。

 東京都は、日本が抱えるさまざまな課題・問題の多くを抱える、言ってみれば縮図のような存在なのである。

 新型コロナ感染症は、こうした都市に襲いかかった。

 その影響は、当然のことながら甚大であり、既に店をたたまざるを得なかった人、廃業せざるを得なかった人は少なくないし、失業してしまった人、住むところを失った人についても同様である。国による対策に加えて、都独自の可及的速やかな、しかも大規模な支援策、救済策が必要である(この手の財政支出を「バラマキ」だの「財政ポピュリズム」だのと批判するのであれば、この非常時において危機感が欠落しているとしか言いようがない。そもそも東京都については、現時点においては制度上の財政的制約はない)。

 安藤裕衆院議員らの「日本の未来を考える勉強会」が提唱した「1社も廃業させない倒産させない」は是が非でも実現させなければならないのであるし、それにより雇用も守ることができるのである。