年金改革法が成立
公的年金は本当に信用できるのか
先頃、年金改革法が成立し、いくつかの改善点が明らかになった。詳細は6月9日に公開した「『年金改革法』成立、 知らないと損をする5つの変更ポイント」 でも書いたが、特に今回は共産党を除く与野党が一致して法案成立に賛成したことが従来とは異なる点だ。年金といえば、従来は与党を攻撃するのに格好の材料となっていたことを考えると今回は大きな前進だと言えよう。今となっては画期的な制度改正が行われた2004年の制度改定ですら、改定当時はとてもネガティブに捉えられていたものだったが、今回は報道を見ても否定的なものはあまり見当たらなかった。
とはいえ、公的年金については相変わらず不信感を持つ人は多い。「年金は信用できない」といって自助努力で老後の備えをするのだ、という人は少なからずいることは事実だ。もちろんそれは決して悪いことではない。老後の蓄えは多ければ多いほど将来豊かな暮らしができることは間違いないからだ。
でも一つ気を付けてほしいのは、「年金なんてどうせ当てにならないから」といって、年金保険料を払わないというのはやめたほうが良いということである。サラリーマンであれば、年金保険料は給料から自動的に天引きされているため、払わないということは起きない。ところが自営業やフリーランスの場合は年金保険料を自分で納める必要がある。そこで、こうした人達の中には「年金なんてどうせもらえないだろうから、保険料は払わない」という人が実際にいるのだ。これはとんでもない間違いである。そんな誤解をしたまま、もし年金保険料を払わないことを続ければ、将来必ず大きな損をすることになる。なぜなら、年金制度は今後サイズが小さくなることはあったとしても無くなったり、破綻したりすることはないからだ。