『週刊ダイヤモンド』7月18日号の第1特集は、「アフターコロナの業界総予測」です。新型コロナウイルスの問題を受け、あらゆる産業が視界不良に陥っています。急落した消費や需要がいつ回復するのか、明確に見通せない中、企業には生き残りをかけた厳しい経営判断が求められています。その中で続出する現象のひとつが事業売却。大ディール続出を見越して、投資ファンドはすでに活動を活発化させています。特集ではうごめくファンドの最新動向を交えつつ、コロナ時代の主要7業種の展望をレポートします。

オリンパスのカメラ、ペッパーフード…
大ディール続出にうずうずする人々

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 さあ、ゲームを始めよう――業界に満ちる空気を一言で表せばこうだ。バイアウト=企業や事業の買収を手掛けるプライベート・エクイティ(PE)ファンドの業界である。コロナ時代に日本の産業界からノンコア(非中核)事業の売却が相次ぐとみて、「バイアウト村の住人たち」はうずうずしている。

 事業売却大時代の嚆矢(こうし)はすでに放たれている。オリンパスは6月24日、デジタルカメラを中心とする映像事業を国内ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)に売却すると発表した。年内の売却完了が目標で、オリンパスとJIPは現在、金額など売却条件を交渉中だ。

 7月3日には外食チェーン大手のペッパーフードサービスが低価格帯の洋食事業、ペッパーランチを国内ファンドのJ‐STARに売却すると発表した。8月末に85億円で売却し、その資金を中核事業の強化に投じる計画だ。

 コロナ以前から投資ファンド業界には、買収資金が集まっていた。長引く超低金利を背景に、よりリターンの大きいPEファンドに世界のお金が流れ込んでいた。ただ肝心の買収案件の数が十分でなく、ファンドが調達したお金は使われずに積み上がりがちだった。

 それがコロナ禍を受け、企業の間にはこれまでになく積極的に事業を売りに出す機運が高まっている。なぜか。