たとえば外食業界を予測したA.T.カーニーの関灘茂代表は、コロナショックによって外食の市場規模から5.2兆~7.8兆円相当の需要が消失する可能性を指摘している。

「外食市場がこれから数兆円規模で縮小する可能性を踏まえると、M&A(企業の合併・買収)や資産買収が起こる局面」(関灘代表)。コロナ以前から収益力や財務力がしっかりしていた企業にとっては、同業が抱える人材や店舗、ブランドなどの経営資源を獲得する機会なのだ。
 
 ただし外食業界は他業界に比べ、慢性的な低採算に悩まされている。これから脱却するには、単なる同業買収で規模の拡大を狙うだけでなく、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務の改善や、今までにない収益構造の見直し戦略に着手する必要もある。

「コロナショックで浮かび上がったのは、国内アパレル業界の構造的な問題だ」。そう指摘するのは、ローランド・ベルガーの福田稔パートナーだ。

 福田氏が指摘する構造問題とは、1990年代までの大量生産・大量消費モデルがいまだに業界に根付いているということだ。この結果、コロナ以前からアパレル業界には大量の過剰在庫が積み上がっていた。「直近のデータで言うと、需要の倍以上のアパレル製品が市場に投下され、年間ざっと15億点に上る過剰在庫の多くが廃棄されている」と福田氏は明らかにする。この旧来モデルを脱するためには、何に取り組むべきか?特集では、詳細な分析を加えている。