FMSでの調達を見直す時期
情報開示されず高価格

――河野防衛相はイージス・アショアだけでなく、無人偵察機グローバルホーク(GH)など、FMSによる装備品のコストが高過ぎる点も問題にしていたようですが。

 FMSによる装備導入では装備性能の認識に限界があり、イージス・アショアでも中枢部分はブラックボックスで日本側は知ることができない。

 地元への説明やブースターの問題でも技術やシステムの詳細がわかった人が日本側にいれば、地元の疑問点や不安な点にもある程度、答えられるが、米国側から情報が開示されていない。

 毎回毎回、米国に問い合わせて、結局、半年ぐらいたっても回答できないということになったりする。それで時間がかかることになった。

 FMSで日本が導入する装備の中には、費用対効果にしても、かなり旧型で、米国の使い古しのようなものがある。

 陸上上陸舟艇などは米国で製造をやめたようなものを日本は大量導入する。それで米国はというと、次の世代の上陸舟艇を研究している。

 戦車などのキャタピラー技術が高いのに、どうして日本は自分で製造しないのか、疑問だ。

 今後、F2後継機の開発を進めないといけないが、150機も導入を決めたF-35戦闘機にしても、機体整備や部品調達、改良での日本側の意向が通らないものであり、予算的にもそんなに買う必要があるとは思わない。

 もともと装備品は、日本の防衛にはこういう装備が必要だとか、使い勝手がいいということで、現場の部隊運用のニーズから上がってきたものを陸海空の幕で侃々諤々(かんかんがくがく)の議論をし、そこに内局(計画課)や技術部門が加わって長期計画を作り、調達してきた。

 ところが最近は、米国から性能や運用については情報開示されることはなく、まとめ買いで無理やり買わされている。これで決定しましたと、一方的に伝えられる政治決定が多くなって、下からの積み上げのプロセスがなくなっている。

 これでは防衛省内でも説明や議論もできない状況だ。

 イージス・アショアの配備撤廃は、FMSへの疑問や不信がたまっていることも一因だ。

不透明な政治決定で急増
防衛産業の弱体化進む

――FMSは安倍政権になって急増しました。トランプ政権の圧力に抗し切れないのですか。

 米国の要求は露骨だった。貿易問題を話し合う日米首脳会談の場でも、トランプ大統領は 自動車などへの制裁関税をちらつかせ、日本側が抵抗すると、その身代わりに防衛装備品を買えと迫った。

 だがFMSは非常に高額で、防衛費の中で占める割合が高まっている。訓練費や後方支援の備品や燃料、食糧費などを圧迫しているし、宿舎や処遇改善が進まない。

 しわ寄せが随所に出てきて、FMSのために他の経費を削らないといけないことになっている。これでいざというときに自衛隊が動けるのかということだ。