レジ袋の廃止が
小売店の業績に影響

 環境改善に関連する吉報もある。

 タイ国立海洋公園管理センターは4月22日、タイ南部の海洋で30頭ほどのジュゴンの群れが泳いでいるところを確認したと発表した。

 さらに、有名なリゾート地であるプーケット県の砂浜にもウミガメの巣穴が11カ所見つかったと、地元紙が報じている。これは過去20年間で最多だそうだ。

 だが、環境改善はレジ袋廃止が理由ではなく、新型コロナウイルスの悪影響で外国人観光客が激減したことがゴミ減少につながって、頭数が増えたと考えられる。

 コロナにより外国から一切の観光客が来ない上、タイ人の国内観光も2カ月以上も自粛していた中、レジ袋廃止による環境改善を確認することは難しい。

 小売店の中にはレジ袋廃止による業績低下を懸念する声も出始めている。

 これまでタイでは買い物をすればレジ袋をいくらでもただでもらえた。だから買い物の量に気を配る必要はなく、大型のカートいっぱいに商品を乗せてレジに並ぶ人がほとんどだった。

 しかし、今は自分が持参する袋の容量以上の買い物ができない。その影響なのか、タイ商工会議所によれば、スーパーやデパートなどの売り上げは減少しているという。

 こうした中、一部のコンビニでは本部に内緒でレジ袋をただで渡している。また、あるスーパーでは入荷商品が梱包されていた段ボールを、買い物袋がない人のための無料サービスとして配布し始めている。

 タイ商工会議所も打開策は見つかっていないようで、「各社でサービス改善やキャンペーン実施で売り上げを回復するように応援している」といったことをコメントしているだけだ。レジ袋廃止は今しばらく迷走が続きそうである。