ハザードマップ写真はイメージです Photo:PIXTA

台風やゲリラ豪雨などで一戸建てが深刻な被害にあうケースが目立っている。災害に強い家を選ぶにはどうすればいいのか。さくら事務所のホームインスペクターである田村啓氏に話を聞いた。(聞き手・構成/ダイヤモンド編集部 松本裕樹)

浸水被害の復旧費用は
数百万円に上ることも

 気象庁のデータによれば、1時間50ミリを超える大雨の年間発生回数は年々右肩上がりで増えている。温暖化により気候が激変期に入る中、台風が大型化し、また、線状降水帯も頻発している。今後、住宅の風水害リスクはさらに高まっていくと考えるべきだろう。

 この数年、当社への相談で特に目立つのは雨漏りや浸水被害だ。

 例えば都内のある3階建て戸建て住宅では、1階が半地下だったため、内水氾濫で吹き出した下水が流れ込み、水浸しとなってしまった。

 こうなると復旧には300万~400万円の費用と、数カ月の時間がかかることになる。

 マンションであれば鉄筋コンクリートだが、戸建ての多くが木造であり、長期間浸水すると躯体自体が使えなくなることもある。また、浸水によりカビや細菌が発生することもあるため、壁をすべて壊して消毒することになる。