長期投資に向く企業3つの共通点、高い付加価値・高い参入障壁・あと1つは?Photo:SERGII IAREMENKO/SCIENCE PHOTO LIBRARY/gettyimages

一つの株を長く持ち、「売らなくていい株しか買わない」という、日本で数少ない「長期厳選投資」を実践しているファンドマネジャー・奥野一成氏。特集『夏だ!スキルだ!3日で絶対習得シリーズ2020』(全30回)の「長期投資」(全3回)2日目は、投資先をじっくり見極め、確実に利益を増やし続ける「構造的に強靭な企業」を見つけるその極意を伝える。(農林中金バリューインベストメンツ常務取締役兼最高投資責任者 奥野一成、構成/ダイヤモンド編集部 塙 花梨)

8月22日(土)20時~、本記事の著者・奥野氏による「長期投資オンラインセミナー」を開催予定!ダイヤモンド・オンラインの無料会員にご登録いただいた方であれば、どなたでもご参加いただけます。
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『教養としての投資』(奥野一成著、ダイヤモンド社、2020年)より抜粋および編集して掲載

売らなくていい株しか買わない

 私は、現在の農林中金バリューインベストメンツの原型として、2007年に農林中央金庫の自己資金を運用する長期型ファンドを立ち上げました。このファンドの運用がスタートして、かれこれ14年の歳月が流れましたが、その間ずっと、「売らなくていい会社しか買わない」という強い思いで投資すべき会社を発掘してきました。

 日本人投資家の大半は「本当にそんな投資の仕方があるのか?」と思うでしょうし、確かに日本国内で運用されている投資信託で同じ運用をしているところは皆無に等しいと思います。しかし世界に目を向けると、同じように投資先企業の株式を長期間持ち続けている投資家は大勢います。

 では、どうしたら売らずに済む会社を見つけることができるのでしょうか。