「繊細な気質」をプラスにとらえてほしい
──繊細な気質を持っていることで悩んでいる人は、まだまだたくさんいらっしゃると思います。そういった方々に、今回の本を通して届けたかったことは何だったのでしょうか?
武田 やっぱり、「繊細さんの素敵なところ」ですね。どうしてもSNSで語られる「繊細さん」像ってネガティブな印象になってしまいがちで。「繊細」=「生きづらい」というイメージに偏りやすいというか。
──たしかに、私もちょっとそんなイメージがありました……。
武田 でもね、当事者の間からも、「別に、繊細さ=生きづらい、じゃないし、いいところもたくさんあるのにね」という声が上がってきていたんです。繊細さは背が高い低いみたいなもので、本来フラットな気質ですから、悩みの解消だけではなく繊細さんの素敵なところをたくさん書きたいな、という思いが以前からありました。そんなとき、編集者の方が企画を持ってきてくださって。
HSPの「悩み」については、いろんな本が出てるけど、「私はその悩みじゃなくて、その先を知りたい」って。編集者さんご自身が繊細さんだったので、当事者として提案してくださったんですよ。ありがたいお話でしたね。
──たしかに、この本には悩みだけじゃなくて、具体的にこれから何をしていけばいいとか、こうしたら楽しくなるよ、というヒントがたくさん書かれていて、私自身も救われた気持ちになりました。これまでに書かれてきた本と、反響に違いはありましたか?
武田 1作目の『「繊細さん」の本』では、「自分がおかしいわけじゃなかったんだ」とか、「私は私でよかったんだ」という、安心感を得られた、という感想が多かったです。今作の『「繊細さん」の幸せリスト』は、「むしろ繊細でよかった」という声を多くいただきますね。
──「むしろ繊細でよかった」と思えるようになる、というのはすごいですよね!
武田 人間って、深刻な悩みをある程度解消してだんだん悩みがなくなってくると、「これからどうしよう?」「何をしよう?」っていうふうに気持ちが変わってくるんです。今回は、そこに目掛けた本なんです。「マイナス状態をゼロに」じゃなくて、「ゼロからプラスに行きたい」「今あるプラスをもっと伸ばしたい」という方に読んでほしいですね。