繊細だからできるアウトプットがある
──私も、繊細さんだからこそできるアウトプットがたくさんあると書かれていて、前向きな気持ちになれました! ほかに、こういう人に読んでほしい、というイメージはありますか?
武田 「人とつながっていきたい」と思っている人にも読んでもらいたいです。私は、これまでの本のなかで、「本音を大事にしよう」ということを書いてきました。自分の本音を大事にしたその先に、幸せが集まる。自分のことをすごくいいなって思えるようになると、いろんな人と本当の意味で交流ができるようになっていく。全然、違うタイプの人にも自分のことを話せたりもするんです。
──この本の最終章「共感の幸せ」でも、<「わかりあう」を手放して、いろんな人と笑い合う>という言葉がありました。お互いの考え方や感覚が違うことを受け止めるからこそ、他の人ともよりよいつながりを築いていけるようになるんですね。
武田 自分のいいところに目が向くようになると思いますし、身の回りの「いいもの」も、たくさん見つけられると思う。空の美しさや、人の優しさ、カフェの素敵な空間に出合えて癒される、とか……。「あそこにも、ここにも、いいことがあった!」っていうふうに、幸せがいっぱい見つかる本だと思うんです。
──たしかに、私もこの本を読んでから、世の中の見え方が変わった気がします。たぶんずっと相棒として、そばに置いておくと思います、この先も。落ち込んだとしても、「ああ、そうだ、私は私でよかったんだ」と立ち返る場所になってくれる本、というか。
武田 私も、ちょっと落ち込んだときに、この本、読み返したりします(笑)。この本には幸せな言葉がたくさんこめられているので、パラパラとみるだけでも「なんか、大丈夫そうだな」と思えるんです。
──第4章でも「表現の幸せ」について書かれていましたが、なぜ、アウトプットすることが繊細さんの幸せにつながるのでしょうか。
武田 書いたり、表現したり、アウトプットって、自分の話を自分で聞いてあげることでもあるんです。一つの悩みが解消されて元気になったとしても、次の段階に進むことで、一段階大きなレベルで悩むことってあるでしょう。そんなとき、アウトプットをすることによって悩みが解決されることがあるんですね。ノートに書いたり人に話したりするなかで自分の本音をつかんで、進んでいける。
最初は個人的な出来事が出発点でも、心を掘り下げて考えていくと「多くの人が心のどこかで思っていたこと」に到達します。それを発信することで、価値観の近い人たちともつながりやすくなります。「世の中にこの考えがあってもいいんだ」という気持ちが生まれて、「自分は自分でいい」という感覚が、どんどんたしかになっていくと思います。
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『今日も明日も「いいこと」がみつかる「繊細さん」の幸せリスト』のなかでも、「気持ちや感覚を書くことで、自分とのつながりが強くなる」「人生の転機には、内面に向き合う時間を大切に」と武田先生は語られている。
私のカウンセリングの相談者さんは、人生の転機にさしかかっている方が大半です。ストレスに耐えてまわりを優先する生き方から脱出し、自分の本音を大切にする生き方へと舵を切る。そのタイミングでご相談にいらっしゃいます。
その時期には、それまでひっそり存在していた「自分の気持ち」が、前面に出てきます。「自分」が育つ時期には、アウトプットがふえるのです。
(第3章「深く考える幸せ ひとり静かに世界とつながる」より)
きちんと自分の本音と向き合い、アウトプットすることで繊細さんらしい幸せが見えてくる──。
本書には、繊細さんだから感じられる「幸せの53のコツ」が書かれている。気になる項目から少しずつ試していけば、自分の心がどんどん軽くなっていくのを実感するだろう。
普通の人が気がつかないようなことでも敏感に察知できるあなただからこそ、手に入れられる幸せの形がある。
もしかしたらこの本を手に取ることが、自分らしい幸せを見つけるための第一歩になるかもしれない。
【大好評連載】
第1回 HSP専門カウンセラーが教える「繊細さんが幸せをみつけるため」のブレイクスルー
第2回 「繊細さん」がアウトプットしたくなるのは、人生の転機の前兆?
第3回 HSP専門カウンセラーが語る「繊細さんの幸せの鍵」とは
第4回 繊細さはひといちばい幸せを感じられる気質