食中毒が気になる季節だ。特に今年はコロナの影響でテイクアウトが増えたり、レジ袋の代わりにエコバッグを使うようになったりしたことで、食中毒の発生リスクは増えている。新しい生活様式下での食中毒防止策を考えてみたい。(サイエンスライター 川口友万)
コロナ対策で
感染症が激減
新型コロナの影響が意外なところに現れている。今夏は昨年に比べて、感染症が激減しているのだ。
国立感染症研究所では感染症動向調査を行っていて、週報を出している(感染症発生動向調査週報)。
感染症のうち、インフルエンザや手足口病など、国が発生状況を把握して発生・まん延を防止すべき感染症を5類感染症と呼び、全国の指定された医療機関からの報告を集計している。それによると今年は過去5年間の平均よりも感染者数が総じて低い。
子どもがいる方にはおなじみの手足口病という、毎夏に流行する感染症がある。口の中や指先に水疱ができ、高熱が出る病気だが、今年(7月20日~26日)の報告数は378人。2019年の同時期は4万2489人なので、実に100分の1以下である。