じめじめする梅雨時になると心配なのが食中毒。その危険は身近に潜んでいます。今回は食中毒の原因と、それぞれの特徴、そして家庭でできる予防法をご紹介します。自炊、お弁当作りでも、気をつけてみてください。
この夏気をつけたい食中毒
6つの原因菌に見る症状と予防法
食中毒の原因となるのが細菌とウイルス。6~8月にかけて多くなるのが細菌性の食中毒です。平成30年度、発生件数の多かった食中毒の原因菌から、特に気をつけたい6種類をご紹介します。
(1)カンピロバクター
主に、牛や豚、鶏、猫や犬などの腸の中に生息する細菌。発症すると、発熱、頭痛、筋肉痛、倦怠感に始まり、腹痛や吐き気、下痢といった症状があらわれます。発症までの潜伏期間が長い(1~7日間)ことと、熱や乾燥に弱いのが特徴です。
食肉、特に鶏肉が原因となるケースが多いです。生食や生焼けの状態で食べることは避け、しっかり加熱するようにしましょう。水が汚染されている場合もあるので、未殺菌の飲料水や井戸水などをそのまま飲まないよう注意することも大切です。
(2)腸管出血性大腸菌(O157、O111など)
主に、牛や豚の腸内にいる病原性大腸菌。感染すると、腹痛や時には出血を伴う下痢などの症状があらわれます。乳幼児や高齢者では重症化するケースもあります。
原因となるのは、肉の生食や生焼け。やはり、しっかりと加熱することが重要です。
(3)ウェルシュ菌
酸素のないところで増殖する特性があり、食品の内部で広がってしまうのが、この細菌の恐ろしいところです。汚染された食品を食べた6~18時間後に発症し、下痢や腹痛などの症状があらわれます。
注意すべきなのは、カレー、シチュー、煮魚などの煮込み料理。調理をした後にそのまま常温で保管しておくのは非常に危険です。加熱した食品の冷却を素早く行う、長時間室温で放置しないことが予防につながります。